新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
南大泉には、野菜の直売所14か所、花直売3か所、体験農園2か所、ブルーベリー摘み取り園6か所、ミカン狩り2か所、キウイ販売1か所と多彩な農業が展開されて、農と地域住民が日常でつながり、多くの農家が地域の購買力によって支えられています。
それは交流することで生まれる温かみを感じる有機的な互換関係にあります。
世界の都市は、農を組み込まず都市の外側に農地を配置しました。システムは効率的となりますが、市民と農との分断を生じやすく、繋がりを作るには相応の労力が必要となり、いまだお互いに距離を感じる関係になっています。
現在、パリ首都圏の大規模都市再開発計画 「グラン・パリ(Grand Paris)」が着々と進められ、世界的に注目を浴びています。
ソフトモビリティと緑化が未来都市の鍵となります。日本の著名な大学教授は都市と緑、農が一体となる街作りは世界的な潮流になると発言しています。
持続可能な開発目標ADGS は、2030年までに全世界で達成を目指す国際的な目標のことで、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
なかでも「都市と人間の居住地を包括的、安全、強靱かつ持続可能にする」「持続可能な消費と生活のパターンを確保する」は練馬区でも目標達成は可能です。
家の近くの畑に種をまき、収穫した農産物をその日のうちに販売して、近所の人が消費する、南大泉では当たり前の姿になっています。
住民は日々の生活の中で作物が日々育つ状況を見ることで子供達の食育にもつながっています。
少し大げさな言い方になりますが、世界の進むべき都市と農の関係が、すでに南大泉にはあるのかもしれません。
昨年から始まった海外向け南大泉ツアーが観光庁に採択され、試験的に始まった事も今の世界のトレンドにある事が評価されたのだと考えます。
令和2年に始まった「南大泉農の風景育成地区実行委員会」が主催する「南大泉with農フェスタ」は地域の環境を維持しながら、農と住が共存し豊かな社会を構築するために、地域の若者や農家の2代目が連携し運営しています。
個々の力は小さいが同じ目標に向かうチームは力強くなります。地域の安全、安心、町の発展には町会、商店街、行政などの連携が必不可欠ですが、南大泉には先人が作った土壌があります。
幅広い年齢層がお互いに地恵を出しながら、次の世代のため緑豊かで子供達が伸びやかに笑顔で暮らせる町を目指したと考えます。
本年も良い年でありますようお祈り申し上げます。
元旦
南大泉農の風景育成地区実行委員会
代表 加藤義松